なるべく痛くない、歯を守り、残す治療
- ステップ1:表面麻酔で「チクッ」を軽減
麻酔の針を刺す歯ぐきの部分に、まずジェル状の表面麻酔薬を塗布します。
これにより、歯ぐきの感覚が鈍くなり、針が刺さる瞬間の「チクッ」という刺激を大幅に軽減します。 - ステップ2:極細の注射針を使用
当院では、現在使用可能な注射針の中でも特に細いタイプの針を採用しています。
針が細ければ細いほど、組織への侵襲が少なくなり、痛みを抑えることができます。 - ステップ3:麻酔液の温度管理
麻酔液が体温よりも冷たいと、注入時に組織を刺激し、痛みの原因となります。
当院では、麻酔液を人肌程度(約37℃)に温めてから使用し、注入時の不快感や刺激を最小限に抑えています。 - ステップ4:注入スピードと圧力をコントロール
麻酔の痛みや不快感の大きな原因となるのが、麻酔液が急激に組織に流れ込むことによる「圧力」です。
当院では、麻酔液の注入スピードを非常にゆっくりと、一定の圧力で行うことで、痛みを極限まで抑える工夫をしています。
皆さまは、歯科医院に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「治療が痛いのではないか…」
「歯を大きく削られてしまうのではないか…」
「麻酔が怖い…」
こうした不安から、なかなか歯科医院のドアを叩けないという方も少なくないかもしれません。
しかし、現代の歯科医療は、かつてのような「痛い・怖い」治療から大きく進化しています。
当院が最も大切にしているのは、「患者さまご自身の歯を、できる限り長く、健康に残す」ことです。
そのために、当院では次の二つの柱を徹底して実践しています。
「削る」を最小限に抑える治療(MI治療)
「痛み」に最大限配慮した治療
私たちは、ただ「悪くなったところを治す」のではなく、治療を通じて歯の寿命を延ばし、将来にわたって皆さまがご自身の歯で快適に食事を楽しみ、笑顔で過ごせるよう、その土台を築き上げることを目標としております。
削る部分をなるべく少なく:「最小限の侵襲(MI)」に基づいた虫歯治療
歯の寿命は「削った量」に比例する
「歯は削れば削るほど弱くなる」
これは歯科医療の現場における揺るぎない事実です。
健康な歯質を少しでも多く残すことは、歯の強度を保ち、結果として歯の寿命を延ばすことに直結します。
一度削ってしまった歯は、二度と元には戻りません。
さらに、詰め物や被せ物をした境目から再び虫歯になる「二次カリエス(二次う蝕)」のリスクも高まります。
二次カリエスが進行すると、より深く、大きく歯を削る必要が生じ、最終的には抜歯に至る可能性も高まります。
当院では、この連鎖を断ち切り、皆さまの大切な歯を守るために、MI(Minimal Intervention:最小限の侵襲)治療を強く意識した歯科診療を実践しています。
「う蝕検知液」で虫歯の部分を正確に見極める
肉眼や探針(先の尖った器具)だけで虫歯を判断すると、健康な歯まで削りすぎてしまうリスクがあります。
そこで当院では、う蝕検知液を積極的に活用しています。
う蝕検知液とは、虫歯に感染し、軟らかくなっている象牙質(歯の内部)にのみ色を付ける特殊な染色液です。
この染色された部分だけを慎重に削ることで、虫歯菌に感染している層のみをピンポイントで除去できます。
健康な部分、特に歯の神経(歯髄)に近い層を不用意に傷つけることなく、必要最小限の範囲だけを削り、大切な歯質を最大限に残します。
これにより、治療後の歯の強度を保ち、歯の神経を保護し、歯の寿命を延ばすことにつながります。
削らない治療の選択肢:コンポジットレジン(CR)修復
ごく初期の小さな虫歯や、歯の表面にある浅い溝の虫歯に対しては、歯を大きく削る必要のないコンポジットレジン(CR)修復を第一選択としています。
コンポジットレジン(CR)は、歯の色に近い歯科用樹脂です。
削った部分に直接詰めて光で硬化させるため、金属のような目立ちがなく、まるで自分の歯のように自然な見た目に修復できます。
詰め物の型取りが不要なため、小さな虫歯であれば、多くの場合1回の通院で治療を完了させることが可能です。
また、金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配もありません。
根管治療(歯の神経の治療)も「歯を残す」ための大切な一歩
虫歯が深く進行し、歯の神経(歯髄)にまで炎症が及んでしまった場合、歯の内部をきれいにする根管治療が必要になります。
この治療は、歯を残すための「最終防衛ライン」とも言える非常に重要な治療です。
根管治療が不十分だと、歯の根の先に再び炎症が起こり、最終的には抜歯を余儀なくされてしまいます。
当院では、精密な歯科用CTによる事前の診断と、長年の経験に基づいた確かな技術で、再発を防ぐ丁寧な根管治療を心がけています。
痛みを感じさせない工夫:心と体に寄り添う麻酔技術
「歯の治療が怖い」と感じる方の多くは、「痛み」や「麻酔の注射」に対する恐怖心をお持ちだと思います。
当院では、患者さまにリラックスして治療を受けていただくために、「痛みへの配慮」を最も重要な診療テーマの一つとして掲げています。
院長は「臨床歯科麻酔管理指導医」の資格を保有
当院の院長は、歯学博士の学位に加え、特に痛みに配慮した麻酔の技術と管理に関する専門知識を持つ「臨床歯科麻酔管理指導医」の資格を保有しています。
この専門性を活かし、麻酔の「効き方」だけでなく、「痛み」や「不安」を最小限に抑えるための麻酔手技と、万が一の場合にも対応できる全身管理の知識に基づいた、安心・安全な治療を実践しています。
痛みを最小限に抑える4ステップの工夫
歯科麻酔の痛みは、「針が刺さる瞬間」と「麻酔液が注入される圧力」の二つが主な原因です。
当院では、この両方に対応するために細心の注意を払っています。
これらの配慮により、患者さまが「いつ麻酔をしたのか分からなかった」と感じていただけるような、心地よい治療を目指しています。
正しい診査診断とカウンセリングが「余計な治療をしない」鍵
適切な治療を行うためには、「正しい診査診断」が不可欠です。
診断が不十分なまま治療を進めてしまうと、不必要な部分を削ってしまったり、症状の根本的な解決に至らない「余計な治療」につながってしまいます。
歯科用CTによる「見える化」された診断
当院では、従来のレントゲンでは把握できなかった、歯や顎の骨の立体的な構造を正確に把握するために歯科用CTを導入しています。
CTを活用することで、より確実で安全な治療が可能になり、患者さまにとって最善かつ最小限の治療計画をご提案することが出来ます。
骨の量と厚み
インプラント治療の計画や、歯周病の進行度を詳細に把握できます。
根管の構造
根管治療の難易度や、病巣の位置を正確に特定し、治療の成功率を高めます。
親知らずの位置
抜歯のリスク(神経や血管との位置関係)を事前に把握し、安全な処置に役立てます。
カウンセリングの徹底:「人を見て、口を見て、歯を見る」
当院では、カウンセリングを最も大切にしています。
勤務医時代に学んだ「人を見て、口を見て、歯を見る」という姿勢に基づき、単にお口の中の状態を見るだけでなく、患者さまご自身が抱える背景(生活習慣、仕事、過去の治療経験、治療に対するお考えなど)を丁寧にお伺いします。
無理に自費診療を勧めるようなことは致しません。
「必要な情報を分かりやすく」お伝えすることを心がけています。
患者さまの想いに耳を傾ける
「どうしたいか」「どんな不安があるか」をしっかりお話しいただき、その気持ちに寄り添います。
最適な選択肢の提案
保険診療・自費診療に関わらず、考えられる治療の選択肢を複数提示し、メリット・デメリット、費用、期間などを分かりやすくご説明します。
納得と共感
一方的に治療法を押し付けるのではなく、対話を通じて患者さまと一緒に最適な治療計画を考え、納得いただいたうえで治療を進めます。
治療のやり直しを防ぐ:予防歯科による「歯を守る」仕組み
どれほど精密な治療を行っても、治療した箇所(詰め物や被せ物)は、ご自身の天然の歯よりも二次カリエスのリスクが高まります。
二次カリエスによる再治療は、さらに歯を大きく削ることになり、歯の寿命を大きく縮めてしまいます。
「治療のやり直しを防ぎ、歯を守る」こと。これが、当院が予防歯科に力を入れる最大の理由です。
当院では、下記のような取り組みにより継続的にお口の健康管理をサポートいたします。
GBT(Guided Biofilm Therapy)に基づいた予防ケア
歯や歯ぐきを傷つけにくい最新のGBT(Guided Biofilm Therapy/エアフロー) を導入しています。
専用のパウダーと温水を使ったやさしい清掃で、見えないバイオフィルムまでしっかり除去しながら、痛みやストレスを最小限に。
「痛いからクリーニングが苦手」「知覚過敏が心配」という方にも、安心して受けていただける新しいメンテナンス方法です。
担当衛生士制による継続的なサポート
当院では、患者さま一人ひとりに担当の歯科衛生士がつき、継続的にお口の健康管理をサポートいたします。
患者さまのライフスタイルやお口の状態に合わせた、きめ細やかなブラッシング指導や、専門的なクリーニングを提供し、二人三脚で再発防止に取り組みます。
保険診療内でも受けられるクリーニング
当院では、保険診療内でも適切なクリーニング(歯石除去)や予防的な指導に対応しています。
予防目的のクリーニングのみをご希望の方も、お気軽にご来院ください。
まとめ:台原みなも歯科クリニックが目指す「歯を守る歯科医療」
台原みなも歯科クリニックは、地域の皆さまの健康を支える歯科医院でありたいと願っています。
「歯を残す」治療
MI治療(最小限の削合)、正確な診査診断(CT)、丁寧な根管治療によって、一本でも多くの歯の寿命を延ばします。
「痛みを減らす」治療
臨床歯科麻酔管理指導医としての専門知識と技術に基づき、麻酔の痛みや治療への不安を最小限に抑えます。
「再発させない」予防
GBTに基づいたエアフローによるクリーニングと、担当衛生士制による継続的なメインテナンスで、健康な状態を長く維持できるようサポートします。
お口のことで気になること、不安なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
皆さまの歯と全身の健康を全力でサポートし、笑顔溢れる未来を築くお手伝いができることを心より楽しみにしております。

