世界基準の滅菌衛生管理
皆さまが歯科医院を選ぶ際、重視されるポイントは何でしょうか。
治療技術、立地、そして「清潔さ」と「安全性」は、非常に重要な要素であるはずです。
特に昨今、感染症に対する意識が高まる中で、歯科医院における「院内感染の防止」は、患者さまの安心と信頼を守るための絶対的な使命だと、私たちは考えています。
歯科治療では、出血を伴う処置や、唾液、血液などが付着した器具を使用する場面が数多くあります。
万が一、器具の滅菌が不十分であれば、患者さまから患者さまへ、あるいはスタッフへと感染が広がってしまう「院内感染」のリスクが生じます。
当院では、この目に見えないリスクをゼロに近づけるため、「すべての患者さまに、常に清潔な環境で安全な歯科医療を提供すること」を基本方針とし、世界基準(ヨーロッパ規格)に準拠した最高レベルの滅菌衛生管理を徹底しています。
世界基準の証:最高峰「クラスB」オートクレーブの導入
滅菌とは、すべての微生物(細菌、ウイルス、真菌、芽胞など)を死滅させることを意味します。
歯科医院で最も重要なのが、この滅菌処理を行う「オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)」です。
オートクレーブには、ヨーロッパ規格(EN13060)によってA・B・S・Nの4つのクラスが定められており、その中でも「クラスB」は、最も厳格な滅菌基準を満たした最高峰の滅菌器とされています。
なぜ「クラスB」滅菌器が必要なのか?
歯科治療で使用する器具の中には、歯を削るための「タービン」のように、非常に細い管(中空構造)や複雑な形状を持つものがあります。
従来の滅菌器(クラスNなど)では、器具の内部に残った「空気」を完全に除去することができず、蒸気が行き渡らない部分(滅菌のムラ)が生じてしまうリスクがありました。滅菌ムラは、すなわち感染リスクの温床となります。
クラスBオートクレーブは、この問題を解決するために開発されました。
真空ポンプによる強力な脱気
滅菌の前に真空ポンプでチャンバー内を繰り返し強力に脱気(真空状態)にすることで、中空の器具内部や、小さな隙間に残った空気をも完全に抜き取ります。
飽和水蒸気の浸透
空気を完全に除去した後、高温・高圧の飽和水蒸気を隅々まで浸透させ、あらゆる微生物を確実に滅菌します。
当院は、この世界最高水準の性能を持つクラスBオートクレーブを導入することで、患者さまごとに使用するすべての器具の「完全滅菌」を実現し、見えない部分の感染リスクまで徹底的に排除しています。
器具に応じた最適な滅菌:クラスSの併用
さらに当院では、器具の形状や材質に応じて、クラスSオートクレーブも併用しています。
例えば、クラスBほどの高度な脱気能力は必要としないが、より迅速な滅菌が必要な器具など、それぞれの器具が持つ特性を考慮し、常に最適な条件で効率的な滅菌処理を行う体制を構築しています。
複数の滅菌器を使い分けることで、滅菌の品質を保ちつつ、患者さまをお待たせしないスムーズな診療を実現しています。
滅菌の前段階を徹底:自動器具洗浄器(ウォッシャーディスインフェクター)
滅菌処理の効果を最大限に高めるためには、その前段階である「洗浄・消毒」が極めて重要です。
器具に血液や唾液などのタンパク質汚れが残っていると、滅菌効果が著しく低下してしまいます。
当院では、使用した器具の洗浄・消毒に、専門の自動器具洗浄器(ウォッシャーディスインフェクター)を導入しています。
感染リスクが高い手洗いからの脱却
従来の歯科医院では、器具の洗浄はスタッフの手作業で行われることが一般的でした。
しかし、手洗いは以下の点でリスクを伴います。
洗浄ムラ
複雑な構造の器具や、微細な汚れは手洗いでは完全に落としきれない。
スタッフの感染リスク
汚染された器具を扱う過程で、スタッフが針刺し事故などにより感染症にかかるリスクがある。
ウォッシャーディスインフェクターの優位性
当院の自動器具洗浄器は、人間の手洗いでは到達不可能なレベルで、器具の内部まで徹底的に洗浄・消毒を行います。
タービンなど複雑な器具の洗浄
歯を削るドリル(タービンやコントラアングル)など、内部に細い管が通っている複雑な器具も、専用の接続口から強力な水流と洗浄液を送り込み、内部の血液や唾液を効率的かつ均一に除去します。
高温による消毒
高温(90℃以上)の熱水洗浄・消毒プロセスにより、滅菌前の段階で多くの微生物を不活化し、滅菌処理の効果を確実にサポートします。
スタッフの安全確保
汚染された器具に触れる時間を極限まで減らし、スタッフの感染リスクを防ぎ、安心・安全な環境で作業を行えるようにしています。
この「洗浄のプロ」であるウォッシャーディスインフェクターと、「滅菌のプロ」であるクラスBオートクレーブの組み合わせによって、当院の器具の清潔度は、世界基準で最高レベルに保たれています。
院内感染を未然に防ぐ:ゾーニングとディスポーザブルの徹底
高度な滅菌機器を導入するだけでなく、院内での器具の取り扱い方や空間の管理においても、徹底したルールを設けています。
衛生管理の基本:ゾーニング(清潔・非清潔の区分)
当院の消毒室(滅菌準備室)では、「清潔区(滅菌済み器具の保管・準備エリア)」と「非清潔区(使用済み器具の回収・洗浄エリア)」を明確に区分するゾーニングを徹底しています。
動線の管理
使用済みの汚染された器具(非清潔)と、これから患者さまに使用する滅菌済みの器具(清潔)が、物理的に交差しない動線で管理されています。
再汚染の防止
これにより、せっかく滅菌した器具が、洗浄前の汚染された器具と接触することによる「再汚染」を未然に防ぎ、器具の清潔さを保ったまま診療室へ届けられます。
作業効率の向上
適切なゾーニングは、感染リスクの低減と同時に、器具処理の作業効率も高め、すべての患者さまにスムーズな診療を提供するための土台となります。
可能な限り「使い捨て」を採用:ディスポーザブル製品の使用
一度使用したら滅菌処理をしても再利用が難しい器具や、滅菌にかかる時間やコストを考慮し、当院では可能な限り「ディスポーザブル(使い捨て)」製品を採用しています。
患者さまごとに交換するもの
手袋
紙コップ
患者さま用エプロン
注射針・麻酔カートリッジ
治療用の細かなチップやローラー
これらの製品は、患者さまごとに新品に交換し、使用後はすべて廃棄いたします。
滅菌器を通す手間さえ省くことで、「一度でも他の患者さまに使ったものを再利用することはない」という、確実な安心感を患者さまにご提供します。
診察室から待合室まで:院内全体で取り組む清潔環境づくり
滅菌対策は、器具の処理だけに留まりません。
患者さまが院内で過ごすすべての空間を清潔に保つことが、私たちの使命です。
個室診療室の設置
当院には、個室の診療室を兼ねたオペ室を設けています。
プライバシーの確保
他の患者さまの視線を気にすることなく、リラックスして治療を受けていただけます。
飛沫・粉塵の拡散防止
歯を削る際に発生する水や粉塵(エアロゾル)の拡散を防ぐ役割も果たし、診療室全体の空気汚染リスクを軽減します。
診療台(ユニット)の衛生管理
患者さまが座る診療台(デンタルユニット)にも、徹底した衛生管理を行っています。
治療ごとの清拭
治療が終わるごとに、患者さまが触れた部分や、血液・唾液が付着した可能性のある場所を、消毒液を用いて丁寧に清拭しています。
水質の管理
ユニットから出る水(歯を削るドリルから出る水や、うがいの水)のラインも、専用の除菌システムにより清潔に保たれています。
バリアフリー設計と清掃
院内は段差のないバリアフリー設計となっており、清掃が容易で、清潔を維持しやすい構造になっています。
キッズスペースも、清掃しやすい素材を選び、定期的に玩具などの消毒を行っています。
まとめ:台原みなも歯科クリニックが提供する「世界基準の安心」
台原みなも歯科クリニックは、杜の都・仙台の一員として、地域の皆さまに最良の歯科医療をご提供するため、治療技術だけでなく、「安全」に対する投資と努力を惜しみません。
私たちが「世界基準の滅菌衛生管理」にこだわるのは、患者さまの不安を「安心」に変えたいという、シンプルな願いからです。
世界基準の設備
世界基準「クラスB」オートクレーブと、自動器具洗浄器(ウォッシャーディスインフェクター)を導入し、器具の内部まで完全に滅菌します。
徹底した管理
ゾーニングによる再汚染防止と、手袋・エプロンなどのディスポーザブル製品の使用で、院内感染のリスクをゼロに近づけます。
安心の空間
個室診療室や清潔な院内環境を通じて、リラックスして治療に専念できる空間をご提供します。
私たちは、皆さまの歯と全身の健康を守るパートナーとして、「見えないところまで手を抜かない、プロとしての安心」をお届けすることを約束いたします。
お口のことで気になることがございましたら、衛生管理を徹底した安心安全な環境で、どうぞお気軽にご相談ください。

